台風一過48時間チェック:出雲・島根の空き家を守る“見落としゼロ”手順

出雲市・島根県は台風通過後に「晴れたから大丈夫」と油断しがち。しかし本当の勝負は通過直後から48時間。ここでの初動が、雨漏りの長期化・カビ爆発・通電火災を分けます。この記事では、現場対応の知見をもとに、外周→屋内→電気の順で時系列の点検フローを公開。写真記録の残し方、雨樋(よこ樋・たて樋)の詰まり解消、保険・業者連携まで、“見落としゼロ”の実務ガイドに仕上げました。


目次

0–6時間|最初にやることは「外から」だけ(安全最優先)

1) 安全確認(最優先)

  • 倒木・電線のたわみ・瓦片の落下を遠目に確認。危険を感じたら立ち入らない
  • 胸下までの冠水歴が疑われる場合は、のちの再通電リスクが高いので屋内立ち入り厳禁。
  • 長靴・手袋・ヘルメット・マスクを基本装備に。

2) 外周“ぐるり一周”チェック(5–10分)

  • 屋根・外壁:双眼鏡/スマホズームで瓦のズレ・割れ、棟板金の浮き、外壁のひび
  • 雨樋(よこ樋・たて樋):溢れた痕(黒い筋)、継ぎ手の外れたて樋の詰まり
  • 軒天・破風板:染み、剥がれ、蜂の初期巣
  • 基礎・犬走り:土が抉れていないか、床下換気口の金網破損
  • 庭・境界:倒木・越境枝・フェンス歪み、排水桝の泥上がり
  • 倉庫・物置:屋根のめくれ、シャッターBOXの変形

ポイント|外観だけで“屋内状態の8割”が推定できる。 雨樋のオーバーフロー跡は天井雨漏りの予告サイン、基礎周りの洗掘は床下浸水・配管ズレを疑う。

3) 写真記録のコツ(保険・見積がスムーズ)

  • 全景→中景→近景の順で撮る(同一箇所を3段階)。
  • 破損部は定規・手のひらを入れてサイズ感を残す。
  • 動画は雨樋の排水状態滴下音を30秒以内で。

6–24時間|屋内点検で“濡れ・臭い・音”を探す

換気→通水→視聴覚チェックの順

  1. 対角線換気:玄関と奥側の窓を開け、サーキュレーターで床→天井へ送風10分。
  2. 通水10秒:キッチン・洗面・浴室・トイレで各10秒流し、封水を作る(下水臭逆流防止)。
  3. 嗅ぐ・聴く・見る:カビ臭/焦げ臭、天井裏のポタ音、壁紙の膨らみ波打ち

天井・壁・床の雨漏りサイン

  • 天井の輪染み:直径2–5cmの薄茶色(24時間後に境界が濃く)。
  • 壁紙の浮き:巾木や窓下で波打つ。
  • :フローリングのジョイントに白濁線、畳の角がふやけ

窓・開口部

  • サッシ溝に砂・泥が溜まっていないか。
  • 網戸の破れ・外れ(虫・ハチ侵入の原因)。
  • 雨戸・シャッターの走行不良=レール歪みを疑う。

水回り(被害が顕在化しやすい)

  • シンク下・給排水ホース:結露か漏水かをティッシュで判定(色が付けば漏水)。
  • 排水桝:泥上がり、油脂固着。豪雨後はたて樋→桝の詰まりが頻発。
  • トイレの封水切れ:悪臭の原因。退出前に再注水を忘れず。

害虫・小動物の兆候(台風後に移動しやすい)

  • 天井裏の足音(夕〜夜):ラットラン(通り道)汚れ。
  • 軒下の紙片:アシナガバチ初期巣材。
  • 基礎の小穴:イタチ等の侵入口。塞ぐのは内部不在を確認してから

NG|濡れた天井裏に立ち入らない。 石膏ボードが抜け落ちる危険。点検は点検口から目視に留める。


24–48時間|電気・設備を“安全に”復帰させる

通電の基本方針:濡れたかも?と思ったら切ったまま専門点検

  • 漏電ブレーカーが落ちていたら、無理に上げず回路ごと切り分け
  • コンセント・延長コードが濡れていた可能性が少しでもあれば完全乾燥を待つ。
  • 家電は乾燥→目視→低負荷試運転。エアコンはフィルタ掃除後に送風→冷房。
  • 焦げ臭・異音・異常振動が出たら即停止して通電せず。

雨樋・排水の応急処置(詰まりを残すと“次の雨”で再発)

よこ樋

  • 手で届く範囲は落葉・泥をかき出す→ジョウロで流量確認。
  • 継ぎ手の遊び割れは仮にアルミテープで応急。

たて樋

  • 上から水を注いで排水確認。逆流・オーバーフローなら**下の曲がり(エルボ)**で詰まり疑い。
  • 可能ならワイヤーホース逆流で押し出す。無理は禁物(破損→交換)。

排水桝

  • フタを開けて泥だまり・油脂を取り除く。
  • 桝の立ち上がりにひびがあれば記録撮影→業者相談。

写真・メモの“保険仕様”テンプレ

  • 撮影:撮影日・場所・方向をメモ(例:北面外壁→東向き)。
  • 事実記述:原因断定は避け、「台風後に発見」「雨天時の滴下音あり」「乾天時は異常なし」。
  • 見積依頼メール例:
    • 件名:出雲市××町/台風後点検と応急養生の見積依頼
    • 本文:被害箇所(屋根棟板金・よこ樋・和室天井等)、希望訪問日時、写真添付、連絡先。

よくある“見落とし”トップ10(出雲・島根の現場から)

  1. 雨樋の継ぎ手外れ(二階角)
  2. たて樋エルボの詰まり(落葉・小石)
  3. ベランダ排水口の枯葉堆積(室内雨漏りの主犯)
  4. サッシ下レールに泥(室内側へ逆流)
  5. 軒天の染み(屋根だけ見て見逃す)
  6. 点検口の断熱材ずれ(天井裏結露)
  7. 床下の洗掘(配管の勾配狂い→悪臭)
  8. シャッターBOXの歪み(開閉時外れ)
  9. 屋根アンテナの傾き(破風板破損の原因)
  10. 外壁シーリングの破断(雨筋だけで判断しがち)

自分でやってOK/NGの線引き

OK(安全・低リスク)

  • 地上からの目視撮影、サッシ溝清掃、ベランダ排水口の落葉撤去、排水桝の泥取り、雨樋の手の届く範囲のごみ取り

NG(プロに依頼)

  • 屋根上作業・脚立高所、瓦・板金の固定、電気配線の復旧、天井裏の踏み歩き、漏水配管の補修

事故・破損の再発・保険適用外を避けるため、高所・電気・配管は専門職へ。


連絡の順番と“伝えるべき情報”

  1. ご家族・近隣:外観の安全・作業予定。
  2. 保険会社:被害日時・状況・写真(原因は推定表現で)。
  3. 専門業者:屋根板金/樋・外壁/電気/水道/内装のどこから先にが良いか相談。
  4. 空き家見守り隊:立会い・鍵管理・写真付き報告書の作成依頼。

持って行くと捗る“台風後ポーチ”

  • 作業手袋・不織布マスク・ヘルメット・長靴
  • サーキュレーター、延長コード、懐中電灯
  • マイクロファイバークロス、スクレーパー、ゴミ袋
  • アルコール/中性洗剤、アルミテープ、結束バンド
  • 簡易双眼鏡、メジャー、ブルーシート(応急)

退出前の最終チェック(コピペOK)

  • ☐ ベランダ排水口・サッシ溝の落葉ゼロ
  • 雨樋上流→下流で流量OK
  • ☐ 天井・壁の新規染み無し(マーキング・撮影済)
  • ☐ ブレーカー正常/不要系統OFF(冷蔵庫・警報機のみONなど)
  • 封水(キッチン・洗面・浴室・トイレに水を張る)
  • ☐ 作業前後写真を家族・管理先に共有

出雲・島根の空き家は“季節設計”で守る

台風一過の48時間で、被害の芽を摘み、再発を防ぐ下準備が整います。
雨漏りは初動が命、雨樋の詰まりは次の雨で再発します。通電は安全確認が先。この3原則を守れば、長期の安心に直結します。


空き家見守り隊|災害後スポット巡回 受付中(出雲市・島根県内)

  • 外周・屋内の被害点検(屋根・雨樋・外壁・サッシ・天井・床)
  • 写真・動画つき報告書(保険提出・業者見積に流用可)
  • 応急養生(状況によりブルーシート/樋継ぎ手の仮復旧 等)
  • 専門業者の手配・立会い(屋根板金/樋/電気/水道 など)
  • キーボックス管理で立会い不要・遠方のご家族にも即日共有

出雲・松江・雲南など島根県内での台風後点検はお任せください。
お問い合わせは、**「台風後スポット巡回 希望/住所(丁目まで)/立会い有無」**を明記のうえご連絡ください。

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