こんにちは、空き家見守り隊です。
出雲市・島根県では、10月に入ると朝晩が一気に冷え込み、「そろそろ暖房を入れようか」というタイミングになります。ところが、しばらく人が入っていない空き家で“いきなり通電”“久しぶりのストーブ点火”を行うと、火災・漏電・異臭などのトラブルを招くことがあります。この記事では、現場での点検経験をもとに、初暖房前にやっておきたい安全チェックを時系列で整理しました。出雲・松江・雲南など島根エリアの気候事情を踏まえた実務ポイントです。
通電前に家の空気を動かす(最初の10〜15分)
・玄関と家の一番奥の窓を同時に開け、対角線の風の通り道をつくる。
・カーテンを開けて日光を入れる。湿気とニオイ抜きが目的。
・この段階ではまだブレーカーを上げない。
・空気の流れを感じながら、カビ臭・焦げ臭・薬品臭がないかを確認。
ポイント:ホコリや湿気がこもった状態で電源を入れると、機器内部で微小な放電や発熱が起こることがあります。必ず「換気→通電」の順で。
ブレーカーは“段階的に”上げる
・主幹ブレーカーを切ったまま、分岐ブレーカー(各部屋の回路)をいったん全て下げる。
・主幹だけ上げて5秒待つ。異音・異臭がないか耳と鼻で確認。
・分岐ブレーカーを一つずつ上げる(LDK→廊下→個室の順など)。
・どこかでブレーカーが落ちる、焦げ臭い、微かな「ジー音」が続く場合は、その回路を切って専門点検へ。
現場例(出雲):床下でネズミが配線被膜をかじり、初通電で漏電ブレーカーが作動。分岐を切り分けて原因回路を特定し、電気工事士に修復依頼。長期不在の家では珍しくありません。
エアコンの試運転は「送風→暖房」の順
・まずフィルターを外してホコリや虫の付着を落とす。
・送風運転で5分まわし、異音・異臭・振動を確認。
・問題がなければ暖房へ切り替え、ぬるい風→温風への立ち上がりをチェック。
・焦げ臭・カビ臭が強い/風量が極端に弱い場合は、無理に運転しない。
補足:古い機種はファン・モーターのホコリ蓄積で発熱しやすい傾向。試運転中はブレーカー付近で待機し、万一の異常に即対応できるように。
石油ストーブ・ファンヒーターは灯油の鮮度が命
・昨季の残り灯油は使わない(半年以上経過で劣化)。
・給油タンクのゴムパッキン劣化やフィルタ詰まりを確認。
・初回点火は窓を開ける。異臭・不完全燃焼サイン(炎が安定しない)があれば停止。
・石油ファンヒーターは吸気・排気経路のホコリ除去を忘れずに。
島根の事例では、劣化灯油で点火不良→何度も再点火→基板過熱という連鎖も。初回は“新しい灯油”が基本です。
結露とカビを冬前から抑える換気のコツ
・窓を1〜2cm開ける「すき間換気」を定期的に。
・サーキュレーターで床→天井方向の空気循環を10分。
・押入れ・下駄箱・トイレ・洗面などは、竹炭や除湿剤を点在配置。
・床下換気口が塞がれていないか、草や落ち葉、ものの置きっぱなしを点検。
出雲・松江の冬は湿度が高く、室内外の温度差で窓・壁の結露が増えます。空気を止めない工夫が、畳・木部・壁紙の寿命を大きく伸ばします。
電気まわりの“小さな異常”を見逃さない
・照明のちらつき、スイッチの異常発熱、コンセントの焦げ跡。
・延長コードのたわみ・折れ、テーブルタップのホコリ溜まり。
・分電盤付近でのかすかな異音(ジジジ)、ブレーカーの温度上昇。
・天井裏や壁内の「カサコソ音」は、配線齧り(ネズミ等)を疑う。
異常が一つでもあれば、その回路・機器の使用を中止し、点検を優先。安全>快適の順で判断を。
雨樋・ベランダ・サッシの“水の逃げ道”確認(初暖房とセットで)
・雨樋の上流→下流の順で水が流れるか。二階角やエルボ(曲がり)が詰まりやすい。
・ベランダの排水口に枯葉・泥がないか。ここが詰まると室内側に逆流。
・サッシレールの砂・泥、モヘア(毛足)の劣化は、すき間風と結露の原因。
暖房を入れると室内の湿度管理が難しくなるため、“水の逃げ道”を整えることが結露抑制にもつながります。
写真記録とメモで「来年の自分」を助ける
・撮影は「全景→中景→近景」の3段階で、同じ箇所を統一アングルに。
・ブレーカー・エアコン・ストーブ・窓・床下換気口など、点検箇所を時系列で撮る。
・メモには、日付・天気・気温・気づき(例:LDKの分岐で弱いジー音)を。
一年後に同条件で比較できると、劣化や傾向が見えて、予防の精度が上がります。
自分でできること/プロに任せることの線引き
自分でOK
・換気・写真記録・分岐ごとの通電確認・エアコンのフィルタ清掃・サッシ溝やベランダ排水の清掃。
プロ推奨(安全第一)
・屋根上や高所、電気配線修理、ストーブの燃焼不良対応、天井裏の歩行点検、床下の配線・配管修理。
高所・電気・火気・床下は、事故や再発のリスクが高く、保険適用にも影響するため専門家へ。
出雲・島根の気候事情を“点検設計”に織り込む
・日本海側特有の高湿環境:冬場でも湿度が高く、カビ・結露が起こりやすい。
・海風と塩分:外部金属部のサビ進行が早い。ストーブの金具や換気フードを重点的に。
・里山近接エリア:秋冬は小動物の室内侵入が増える。配線齧り痕とフンの有無をセットで確認。
地域条件に合わせた点検優先度を決めると、短時間でも効果が高い点検ができます。
退出前の“最終チェック”ひな形(コピペ推奨)
- ベランダ排水・サッシ溝の詰まりなし
- ブレーカー正常(不要系統OFF、必要系統のみON)
- エアコン・ストーブの試運転結果に異常なし、臭いなし
- コンセント・延長コードの焦げ跡なし
- 押入れ・下駄箱に除湿材または竹炭を配置
- 窓・戸締まり、ポスト空っぽ、写真を家族へ共有
この一枚があるだけで、次回来訪時の時短と安心感が大きく変わります。
空き家見守り隊の“初暖房前チェック”サービス(出雲・島根全域)
・通電前換気、段階通電、各回路の異常確認
・エアコン送風→暖房の試運転、フィルタ清掃
・石油ストーブの初回点火補助(灯油の状態確認、異常時は中止)
・雨樋・ベランダ・サッシの水路点検
・写真付きレポートをその日のうちにメール送付
・キーボックス管理で立ち会い不要、遠方のご家族にも共有
「冬前に安全な状態で準備しておきたい」「帰省の直前だけ見てほしい」など、スポット巡回も承ります。
まとめ
初暖房前のわずかな時間で、火災・漏電・異臭・結露といったリスクは大きく減らせます。出雲市・島根県の空き家は、湿度が高く季節変化が急な環境にあります。だからこそ、換気→段階通電→暖房試運転→水の逃げ道確認→写真記録、という“基本の型”を毎年繰り返すことが、家の寿命と安心を守る近道です。
気になる点がひとつでもあれば、無理をせず専門家へ。空き家見守り隊は、地域に根ざした点検と迅速な写真レポートで、安心の冬支度をお手伝いします。



